第5波の県内感染者数1.5倍増 前回比、ワクチンで重症化抑制も

流行「第5波」の感染状況が報告された県の新型コロナ対策本部会議

 岡山県は29日、7~9月に県内で猛威を振るった新型コロナウイルス流行「第5波」の感染分析結果を発表した。感染力の強いインド由来の変異株「デルタ株」により4~6月の第4波に比べて感染者数は1・5倍に増加。一方、ワクチン接種が進んだことで高齢の感染者が減少し、死亡や重症化するケースも抑えられたとしている。

 同日の新型コロナ対策本部会議で明らかにした。第5波の感染者数は7391人(21日現在)で、第4波の4897人を大きく上回った。このうちデルタ株の感染が9割以上に上り、地域別では岡山市(3579人)と倉敷市(2298人)で全体の8割を占めた。

 年代別に見ると、最も多かったのは20代の2069人で第4波の1・9倍、20歳未満も2・8倍の1684人に上り、若い世代への感染拡大が目立った。一方で60代は240人と4割減り、70歳以上も293人と6割の減となった。

 県内では8月上旬までに65歳以上の高齢者の約9割がワクチンの2回接種を終え、県はその効果が表れたとみている。これに伴い死者数も大幅に減少。第5波は9人で、第4波(91人)の1割未満に抑えられた。

 県はまた、感染者のワクチン接種状況についても公表。今月27日までの感染者7473人のうち、80%の5944人が未接種だった。2回接種完了後の「ブレイクスルー感染」も6%に当たる460人で確認され、デルタ株の感染力の強さをうかがわせた。

 県は冬場に向けて「第6波」の到来も懸念されるとしており、伊原木隆太知事は会議後「ワクチン接種が重症化を抑える武器。自身と周りの人を守るため積極的に打ってもらいたい」と述べた。

(2021年09月29日 更新)

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