(7)女性健診について 倉敷中央病院付属予防医療プラザ医長  鈴木真由美 

マンモグラフィ

乳腺超音波検査

鈴木真由美医長

 女性を取り巻く社会環境も大きく変化し、社会で日々頑張っている方、ご家庭でご家族を支えている方…ご自身の健康が後回しとなっている女性が多いのではないでしょうか。自分の将来のため、周りの人のために、1年に1回、健診を受けましょう。

 今回は、女性特有のがんの早期発見のための検診、女性にお勧めしたい検査をご紹介します。

 ■乳がん検診

 女性の9人に1人が乳がんにかかると言われています。画像検査にはマンモグラフィと、乳腺超音波検査があります。マンモグラフィは、石灰化を伴う乳がんの検出に優れています。乳腺超音波検査は、小さなしこりも見つけることができます。どちらかの検査のみに偏ることなく、毎年継続して検査を受けることをお勧めします。がんが疑われた場合にはその日のうちにご希望の病院の乳腺外科にご紹介、予約をお取りしています。また、疑わしい場合には当プラザの乳腺クリニックで外科専門医によって、数カ月ごとに経過観察を行っております。

 ■子宮がん検診

 子宮頸(けい)がんは子宮がんのうち約7割程度を占めます。最近は20~30歳代の若い女性に増えてきており、30歳代後半がピークとなっています。国内では、毎年約1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約3千人が死亡、年々患者数も死亡率も増加しています。

 当プラザでは、子宮頸部細胞診検査・経腟(ちつ)超音波検査を行います。オプションで子宮頸がんの原因であるヒト・パピローマウイルス(HPV)検査も行っています。検査で所見が見られた場合には、ご希望の病院の婦人科にご紹介しています。

 ■骨密度検査

 骨粗しょう症は、長年の生活習慣などにより骨の量(骨量)が減って骨折しやすくなる病気で、寝たきりや健康寿命の短縮の大きな原因です。40歳以上の女性、若い頃よりも身長が低下、姿勢が前かがみ・猫背になってきた、骨折したことがある方にお勧めします。予防医療プラザでは倉敷中央病院整形外科医による骨粗しょう症専門クリニックを開設、骨粗しょう症についてのご相談を受け、治療法を決定し、かかりつけ医で投薬治療を続けていただく橋渡しをしています。

 ■腸内フローラ

 腸内フローラとは、腸内に生息する常在細菌の集合体で、その乱れによりさまざまな病気にかかる危険が高まることが分かってきました。この検査では、腸内フローラ判定、大腸画像検査おすすめ度、健康長寿菌判定、腸内フローラの主要細菌の割合、ダイエットや美容に関すること、生活習慣の改善ポイントが分かります。

 ■エクオール検査

 エクオールとは腸内細菌の一種で、女性ホルモンに似た働きをします。日本人でエクオールをつくれる人はおよそ2人に1人です。更年期症状を緩和したい方、メタボ予防をしたい方、骨密度を維持したい方、美肌を維持したい方にお勧めです。



 倉敷中央病院(086―422―0210)

 すずき・まゆみ 岡山大学医学部卒。同大大学院医歯薬学総合研究科修了。医学博士。福山市民病院、岡山大学医学部付属病院など勤務。2012年から倉敷中央病院付属予防医療プラザ勤務。人間ドック健診情報管理指導士、検診マンモグラフィ読影認定医師。

(2021年11月04日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

タグ

関連病院

PAGE TOP