オミクロン株 感染対策の再徹底を 全国知事会が緊急提言まとめる

全国知事会のオンライン会合で発言する伊原木知事(右)=岡山県庁

 全国知事会は12日、新型コロナウイルス対策本部の会合をオンラインで開き、国への緊急提言をまとめた。感染が急拡大する新変異株「オミクロン株」による医療や保健所業務の逼迫(ひっぱく)に危機感を示し、基本的な感染対策を改めて国民に呼び掛けることや、医療・保健の人材確保、ワクチンの確実な供給を求めた。

 会合では、潜伏期間が短いとされるオミクロン株の特性を踏まえ、濃厚接触者の自宅などでの待機期間(14日間)を短縮すべきだとの意見が相次いだ。村岡嗣政山口県知事は「濃厚接触者がどんどん増え社会機能が止まることは絶対に回避しないといけない」、大井川和彦茨城県知事も「合理的な水準への短縮を一刻も早く考えるべきだ」と国に検討を求めた。

 伊原木隆太岡山県知事は県内の状況について「オミクロン株の市中感染が始まっていることは間違いない」との認識を示した上で、オミクロン株に効果があるとされる中和抗体薬の供給量を増やすことなどを求めた。湯崎英彦広島県知事は「重症者が少ないといわれるが、中等症で病院が埋まっていく」と感染拡大に警鐘を鳴らした。

 緊急提言は、マスク着用や手指の消毒、換気といった対策の再徹底を分かりやすい言葉で強く呼び掛けるべきだと強調。外出時は混雑する時間帯や場所を避け、体調が悪い場合は外出を控えるよう注意喚起を要請した。

 感染者や濃厚接触者の増加に伴い医療、保健分野の業務負担が重くなっていることから、感染が急拡大している地域に国が保健師を派遣するほか、自治体が人材確保する際の財政支援も訴えた。

 ワクチン3回目接種を前倒しするとの政府方針に関しては、早期に具体的なスケジュールを示すことや、必要なワクチンの確保を要求した。

 知事会長の平井伸治鳥取県知事は「オミクロン株を何とか抑制し(感染対策と)経済社会の両立に道筋を付けないといけない」と述べた。

(2022年01月12日 更新)

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