岡山市 18歳以上はモデルナ製 需給ミスマッチ 大量廃棄回避へ

岡山市役所

 新型コロナウイルスワクチンの3回目接種で、岡山市が18歳以上には原則として米モデルナ製のみを使用する方針を決め、接種を実施する医療機関に通知していたことが5日、同市などへの取材で分かった。国が12~17歳の3回目接種に使用することを決めた米ファイザー製の必要量を確保するとともに、需給の偏りから在庫を抱えるモデルナ製の大量廃棄を避けるためとしている。

 市内約400の医療機関に3月30日付で通知しており、一部は既にファイザー製の予約を制限している。

 通知では、国の方針でファイザー製の配分が今後は極めて限定的になるとして「モデルナ製の活用が進まなければ全予定者に接種ができない可能性がある」と指摘。保有するモデルナ製9万7605人分が5月26日で使用期限となることから、現在の接種ペースでは約5万7千人分を廃棄せざるを得なくなるとの試算を示し、積極的な使用を求めた。

 既に予約を受け付けていたり、医学的理由でモデルナ製が不適当とみられたりする場合はファイザー製を認めることとした。

 岡山市の3回目接種率は40・5%(3月29日現在)と1、2回目と比べて低調に推移。接種予約に空きが発生する中で国から使用期限の短いモデルナ製が配分され、需給のミスマッチが生じているとみられる。市保健管理課は「希望者が確実に接種を受けられるよう、ワクチンを無駄にすることのない態勢を整えていく必要がある」としている。

 県内では他の市町村にこうした動きはないが、倉敷市は夜間や土日、祝日に12~17歳への接種に対応する医療機関に対し、ファイザー製を優先配分するとしている。

 3回目接種を巡っては、国は安全性などを踏まえて12~17歳への接種をファイザー製のみとし、各自治体に必要量の確保を求めている。一方、全国知事会は成人向け接種でファイザー製を希望する人が多いとして追加供給を求める緊急提言を行っている。

(2022年04月06日 更新)

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