(6)シーガルズ体操で心もからだも元気に 万成病院リハビリテーション課課長 藤川信

左から高柳萌選手、山崎由起子(言語聴覚士)、前田明里選手、大塚恵莉(作業療法士)、船田芽依選手、佐藤早恵(作業療法士)=2021年12月

臨床での取り組み=2022年4月

藤川信氏

 ■シーガルズとの交流

 万成病院は2008年から岡山シーガルズとの交流があり、当院主催の障がい者ソフトバレーボール大会「ドリームカップ」や各種イベントに選手の方が足を運んでくれたり、チアリーディングチームの演技を披露していただいたりしています。

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、当院主催のイベントもほとんどが中止となってしまい、シーガルズとの交流だけでなく地域との交流も難しい状況となっています。

 コロナ禍での生活は、イベントの中止だけでなく、患者さんの日常生活にも大きな影響を与え、スポーツやカラオケ、散歩などこれまで当たり前にできていた日常が一変してしまい、入院中の患者さんやデイケアなどに通ってこられる利用者さんもストレスがたまりやすい日々が続いていました。

 ■シーガルズ体操制作

 昨年11月に岡山シーガルズより、「患者さんたちのために何かできないか」との申し出があり、シーガルズ体操を制作することとなりました。

 入院中の患者さんはさまざまな疾患の方や車いすで生活を送っている方など幅が広いため、体操は立位と座位でできるもので設定しました。神田千絵さん(シーガルズ指導普及課長・スクールコーチ)と丸山亜季さん(同課主任)に体操のベースを作っていただき、当院の作業療法士と言語聴覚士によって内容の確認とさまざまなレベルの方に合うよう修正を行いました。

 体操はストレッチ、筋トレ、脳トレを組み込んだ内容で、約20分の動画に収めています。

 ■臨床での取り組みと今後

 体操は日々の作業療法(リハビリ)の中でもよく行う活動ではありますが、シーガルズの選手(高柳萌選手、前田明里選手、船田芽依選手)や日頃から身近でリハビリを提供しているリハスタッフが画面に出てデモンストレーションを行っていることで、患者や利用者の皆さんも新鮮な気持ちで取り組むことができていました。BGMにはシーガルズの応援ソングが使用されており、リズムに合わせ楽しい気持ちで行えています。

 この体操には高齢者の方の問題ともなりやすい転倒の予防や認知症予防に良いとされるデュアルタスク(二重課題)で頭と体を同時に動かす「ながら運動」が取り入れられています。動画の中にもある「シーガルズといっしょにレッツエンジョイ!」「ひろがれ笑顔!」をモットーに、コロナ禍が続く中でも楽しく体操を行いながら、心もからだも元気に過ごせればと思います。

     ◇

 万成病院(086―252―2261)

 ふじかわ・まこと 川崎リハビリテーション学院卒業。1994年に万成病院に作業療法士として入職。認知症キャラバンメイト取得。岡山県作業療法士会理事・事務局長。佐賀県出身。

(2022年05月16日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

タグ

関連病院

PAGE TOP