先生、同級生らの支援が大切 岡山小児糖尿病協会が研修会

1型糖尿病の基礎的な知識を学んだ岡山小児糖尿病協会主催の研修会=8月20日、岡山赤十字病院

 子どものころに発症することの多い1型糖尿病について、幼保・小学校などの教職員向け研修会(岡山小児糖尿病協会主催)が8月20日、岡山赤十字病院(岡山市北区青江)で開かれた。国立病院機構岡山医療センター小児科の樋口洋介医師が講演。「適切な治療があれば給食や運動など他の子どもたちと変わらない学校生活が送れる。大切なのは先生や同級生らの理解と支援」などと述べた。

 樋口医師は「1型糖尿病の子どもにとってインスリン注射は日常生活の一部」と言い、学校では給食の前に保健室や教室などで注射をしていると説明した。

 学校生活で注意すべきなのは低血糖で、「いつもと様子が違うと感じた場合は本人の訴えがなくても積極的な声かけが必要」とした。症状は「おなかがすいた」といった訴えや、あくび、発汗、動悸(どうき)、震えなど。いつもより運動量が多かったり、食べる量が少なかったりすると低血糖になりやすいと述べた。

 症状に気付いたら「すぐに糖分補給が必要」。ブドウ糖や砂糖、ジュースなどを飲ませたり、「糖分を自分で摂取できないような場合は救急車を呼んでほしい」と強調した。

 また、糖尿病になるとトイレが近く喉が渇きがちなので、トイレに行ったり水分を取りやすい環境を整えてほしいと呼び掛けた。

 1型糖尿病の患者は、エネルギー源であるブドウ糖を体内に取り込む際に欠かせないインスリンが分泌できないため、1日に数回、注射などによるインスリン補給が欠かせない。生活習慣や遺伝が主な原因とされる2型糖尿病とは異なる。

 岡山小児糖尿病協会への問い合わせは岡山赤十字病院医療社会事業課内の事務局(086―222―8811=代表電話)。

(2022年09月05日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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