胸部に腫瘍 カンボジアの男児入院 岡山医療センター、7日摘出手術

執刀医の中原医長(左)と話すチャンテット君。右はチャントゥーンさん

 胸のがんを患うカンボジアの8歳の男の子が5日、国立病院機構岡山医療センター(岡山市北区田益)に入院した。同国などで小児の医療支援を展開するNPO法人・ジャパンハート(東京)の仲介で来日し、7日に摘出手術を受ける。

 患者はトゥン・チャンテット君(8)。胸部の右側が腫れるなどして1月に現地の病院を受診し、がんが見つかった。治療には小児科のほか、心臓や呼吸器の専門科との連携や高度な医療設備が必要なため、設備が整う同センターへ転院することになった。

 この日、同センターで血液検査と画像診断を行い、他の臓器への転移がなく、腫瘍の摘出が効果的であると確認された。手術は中原康雄小児外科医長が執刀し、経過が良好なら1カ月程度で退院が見込めるという。

 チャンテット君は8月末、父のポーン・チャントゥーンさん(31)らと来日。新型コロナウイルスの陰性を確認後、大阪での隔離期間を経て岡山入りした。検査後の記者会見でチャンテット君は「早く家に帰り、学校に行きたい」、チャントゥーンさんは「不安はあるが、手術を受けられてうれしい」と話した。

 同法人の仲介で同センターが海外の小児がん患者を受け入れるのは9人目。中原医長は「肺や血管を傷つける恐れもあり難しい手術だが、成功させ元気になってもらいたい」と話した。

(2022年09月05日 更新)

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