マダニを介した感染症に注意 岡山県内 秋に活動活発化

感染症を媒介するマダニ(県環境保健センター提供)

 登山やキノコ狩りなどで野山に入る機会が増えるシーズンを迎え、岡山県はマダニを介した感染症への注意を促している。マダニはこの時季に活動が活発化し、県内では今年、8月下旬までに8人の患者を確認。新型コロナウイルス禍で、密を避けたアウトドアを楽しむ人もいるとみられ、県は肌を露出させないといった対策を呼びかけている。

 マダニは体長1~3ミリで田畑や草むら、野生動物がいる場所などに生息。人に寄生すると数日間、吸血を続けるとされる。痛みやかゆみはほとんどなく、付着しても気付かない場合があるという。

 注意すべき感染症は、発熱、下痢や吐き気などの症状が出る重症熱性血小板減少症候群(SFTS)と、頭痛や発疹がみられる日本紅斑熱。SFTSは死亡率が3割近くに達するとされ、県内でも過去に死亡例がある。

 例年、夏から秋にかけて患者は増加傾向で、県内では今年、8月21日までにSFTSは3人、日本紅斑熱は5人確認されている。8人は50~90代で、多くは畑や山での作業中にかまれたという。2020年にはSFTS7人、日本紅斑熱11人とそれぞれ過去最多を記録した。

 県健康推進課は野山に入る際は長袖、長ズボンを着用して肌の露出を控えるほか、防虫スプレーの使用を推奨。活動後はできるだけ早く入浴し、かまれた箇所がないかの確認も必要とした上で「症状が出た場合は、皮膚科などの医療機関を受診してほしい」としている。

(2022年09月08日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

タグ

カテゴリー

PAGE TOP