乳がん早期発見へ ブレスト・アウェアネス実践を

 9人に1人が乳がんに罹患(りかん)すると言われ、 女性が罹(かか)るがんの中でもっとも多いのが乳がんです。早期発見で治るがんでもありま、しかし乳がんは、早期発見で治るがんでもあります。「乳房を意識する生活習慣をより多くの女性に取り入れてほしい」と、乳がん早期発見に力を注ぐ、倉敷成人病センターの乳がん看護認定看護師小原未貴さんに話を聞きました。(「さりお」2022年9月30日号から転載)

 乳がん看護認定看護師とは乳がんに関して卓越した知識を持ち、治療や看護が必要な患者や家族に対して、適切な看護は何かを判断したり、不安に寄り添ったサポートを行ったりするより専門性の高い看護師です。術後の傷や金銭面のこと、療養と日常生活の両立など、病気に対するささい、 な相談事にも答えてくれます。

 また、病気に罹った人に対する看護だけではなく、乳がんの早期発見にも注力しています。

 乳がん看護認定看護師は、岡山県内に5人。その1人が小原未貴さんです。乳がんの早期発見のために毎日実践してほしいと、小原さんが訴えるのが「ブレスト・アウェアネス」。日本語で訳すと「乳房を意識する習慣」。

 「乳がん患者さんの中には、ご自身でしこりに気付かなかったという方が比較的多くいらっしゃいます。ブレスト・アウェアネスは、自分の体を知ることから始めようという考え方。お風呂に入る際、毎日胸を触ることを生活習慣とし、日々実践することで、小さな体の変化に気付き、乳がんの早期発見につなげようというものです」と小原さん。実践方法は。また、「年に1度の乳がん検診も必要です」と続けます。

 乳がんは、20代や30代の若い人でも80代の高齢者でも罹るがんです。怖いと思う人も多い乳がんですが、自分で気付くことのできるがんでもあります。早期発見で5年生存率は、90%以上ということも分かっています=グラフ

 今日から早速ブレスト・アウェアネスを生活の中に取り入れましょう。



 倉敷成人病センターは、乳がんの専門看護師による相談電話を開設している。乳房の痛みや張りがある▽しこりがあるが受診をためらっている▽検診結果の見方が分からない―といった悩みに対応する。月~金曜の午後2時~4時、専用電話(080-2895-2387)で受け付ける。祝日と年末年始は休み。問い合わせフォーム(https://www.fkmc.or.jp/form/iryousoudan/)でも、相談に応じている。



(2022年10月01日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

医療人情報

  • 乳がん看護認定看護師  小原 未貴
    2008年看護師資格取得。同年倉敷成人病センター入職、 外科病棟で勤務。2015年乳がん看護認定看護師資格取得。2016年外来勤務開始。現在、ブレストセンター外来を中心に、乳がん患者へのケアを行っている。

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