臓器提供の意思 事前に話し合って 岡山県医師会長 終末期医療で講演

臓器移植法などについて話す松山会長

 臓器移植普及推進月間(10月)に合わせた「いのちのリレーを考える講演会」(岡山県、県臓器バンク主催)が22日、岡山市内で開かれ、市民ら約30人が終末期医療の在り方などについて学んだ。

 県医師会の松山正春会長は、施行から今年で25年を迎えた臓器移植法について説明。脳死と判定された臓器のドナー(提供者)は新型コロナウイルス禍前の2019年に国内で約90人だったとした一方、提供の意思をカードなどで明確に提示している人は少なく、「提供するかどうか遺族が選ぶのは、非常に重い決断」と指摘した。

 その上で、人生の最終段階を生きるためには「臓器提供の意思や、終末期に受けたい医療・ケアを家族や医療関係者らと事前に話し合うことが大切だ」と主張。高齢者は認知症や心身の衰えから正確に意思表示ができない可能性が高く「早い段階で家族や周りの人と話し合い、自らの意思を伝えておくことが欠かせない」と述べた。

 会場の参加者と松山会長らが終末期医療について意見交換する座談会もあった。

(2022年10月22日 更新)

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