エイズ患者・感染者 22年は4人 県内 10年で最少、検査減一因か

 岡山県内で今年確認されたエイズ患者とエイズウイルス(HIV)感染者は計4人(24日現在)で、過去10年の同時期で最も少なかったことが県のまとめで分かった。新型コロナウイルス禍以来、保健所が対応に追われて検査実施日が減少したことも一因とみられ、県は「感染が見過ごされている恐れがある」として積極的な受検を促している。12月1日は世界エイズデー。

 県健康推進課によると、今年は患者3人、感染者1人で20~60代のいずれも男性。患者・感染者は過去10年間で毎年ほぼ20人前後で推移しており、年間で10人未満となったのは2006年(8人)までさかのぼる。

 その要因について県は「社会的な関心の低下による受検者の減少に加え、コロナ対応で保健所業務が逼迫(ひっぱく)し、検査実施日が減ったことが影響した可能性もある」と分析する。

 県内の保健所やエイズ治療拠点病院(10カ所)などでの受検者はこれまで年間千人以上で推移していたが、コロナ禍が始まった20年699人、21年507人と減少が著しく、22年も9月末現在で343人。検査の多くを担う岡山、倉敷市保健所はコロナ対応で休止期間を設け、検査実施日は従来に比べて半数程度まで減っている。

 県健康推進課は「エイズは検査で早期発見できれば、発症を防ぐことが可能で、知らないうちに感染を広げることもない。心当たりがある人は県のホームページなどで実施日を確認し、ぜひ検査を受けてほしい」と呼びかけている。

 世界エイズデーにちなみ、県は1日、JR岡山駅で啓発活動を行うほか、県内の各保健所・支所は1~12日のいずれかに夜間検査を実施する。問い合わせは同課(086―226―7331)か各保健所。

(2022年11月30日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

タグ

カテゴリー

PAGE TOP