食事見直し認知症防ごう 玉野・由良病院 定期催しでPRへ

認知症予防効果が高いメニューがそろった昼食を楽しむ参加者=22日

 認知症治療や啓発に力を入れている由良病院(玉野市深井町)は、食事がもたらす認知症予防効果の周知や当事者を孤立させない地域コミュニティーづくりを進めている。本年度は食事会や講演を通じて予防策を発信するイベントを定期開催し、認知症と共生する社会の実現を目指す。

 物忘れなど認知機能が低下する認知症は、誰もが発症する可能性がある。同病院によるとほかに味覚、臭覚障害や社会性の低下などの症状もあるが、食材を工夫したり、他人との交流を通じて脳を活性化させたりして防ぐことが可能という。

 同病院は本年度、病気について理解を深め、予防のためそれぞれが取り組める食事や体操、交流などに焦点を当てた啓発イベント「食べるオレンジカフェ まごんとこ」を6回開く。

 初回は22日にあり約20人が参加。認知症専門医の藤川顕吾副院長が症状について解説した。昼食はサケのカレーマヨ焼きや鶏胸肉を使ったハンバーグなどを彩り豊かに詰めた弁当を提供。サケには脳を活性化させるドコサヘキサエン酸(DHA)が多く含まれ、鶏胸肉には抗酸化作用があり老化を抑制することが紹介された。

 認知症予防につながるリズム体操も楽しんだ。参加者(66)=玉野市=は「お弁当は食べやすく味も大満足。予防効果のある食材を使って家でも作ってみたい」と笑顔を見せた。

 イベント名の「まごんとこ」には「孫と話すように気軽に訪れ、交流できる場になれば」との思いを込めた。南辰也院長は「食事には人を笑顔にし、結びつける力がある。当事者やその家族が孤立せず暮らせるよう、いつでも訪れられる場にしたい」と話す。

 同病院は、認知症予防の朝食メニュー試食会や、ノートルダム清心女子大(岡山市)と連携し記憶力低下を防ぐ効果が高い料理のレシピ集制作などに取り組んでいる。

 次回は7月24日午前11時から。参加費500円。問い合わせは同病院(0863ー81ー4590)。

(2023年05月31日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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