(6)「住まい」の一つ サービス付き高齢者向け住宅 倉敷スイートレジデンス管理者 渡部 綾希子

渡部 綾希子氏

 ■サービス付き高齢者向け住宅とは

 少子高齢化や核家族化などの進行で、高齢者世帯や独居世帯は増加しています。そして、その多くの方が、たとえ介護が必要になっても、可能な限り住み慣れた地域や自宅で日常生活を送ることを望まれます。

 さて、地域の中で安心して生活する「住まい」の一つに「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」があることをご存じでしょうか。高齢者住まい法の改定により2011年に創設されたもので、60歳以上(または要介護認定をされた60歳未満)の方が対象で、自宅と同様に自由度の高い生活を送ることができるバリアフリーの賃貸住宅です。サ高住職員による安否確認や生活相談を利用しながら暮らすことができます。その他、食事の提供や洗濯などの生活支援サービスをオプションで提供するサ高住もあります。

 また、サ高住には「住宅型」と「介護型」の2種類があり=図1、ご本人の状態によって、提供される介護保険サービスが異なります。

 「住宅型」は、介護保険サービスが必要になった場合、ご自宅と同様にケアマネジャーによるケアプランが作成され、それぞれのサービス事業所(訪問看護・介護やデイサービス等)と契約することで、利用が可能となります。要介護状態になっても、サービスの見直しを行いながら住み続けることができます。

 「介護型」は、日常的に支援が必要な方に対し、介護保険サービス(食事・入浴・排せつ等)を施設に常駐している職員から受けることができます。要介護度に応じて、介護保険サービス費用は定額となっており、状態変化にも柔軟な対応が可能です。

 ■病院と合築しているサービス付き高齢者向け住宅

 加齢、病気、けがなどによって、医療・介護の複合的なケアを必要とする高齢者が増加しており、医療・介護連携の必要性も高まっています。サ高住である倉敷スイートレジデンスは、同じ建物に倉敷スイートホスピタル(病院)があり、外来受診や訪問診療、往診を受けられます。さらに、訪問看護・介護ステーション、定期巡回随時対応型訪問介護・看護事業所、通所リハビリテーションなどの在宅サービスもあり、建物内で医療・介護・予防・住まい・生活支援が分断することなく利用でき、入居者のニーズに合わせて暮らしのサポートをしています=図2。医療・介護が一体的に提供できることで、その人らしい生活の継続の実現を目指しています。

 ■終わりに

 住み慣れた地域で要介護状態となっても自分らしく、安心して暮らしていけるよう、自分の住んでいる地域でどのようなサービスが受けられるか、どんな施設や医療・介護の資源があるかを知ることをおすすめします。

 ◇

 倉敷スイートホスピタル(086―463―7111)

 わたなべ・あきこ 倉敷天城高校、ノートルダム清心女子大学卒。株式会社リクルートで営業職を経て2012年から倉敷スイートレジデンス主任。23年11月から現職。社会福祉主事任用資格。

(2024年02月05日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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