総胆管結石の内視鏡治療

 総胆管は、肝臓と十二指腸をつなぐ管で、脂肪分の消化を助ける胆汁を流すためのものです。管の脇には、胆汁を一時的に貯めて濃縮する胆嚢(のう)があります。

 石はまず胆嚢ででき、加齢などによって総胆管に落ちてきます。十二指腸につながる出口が細いため石は通過できず、胆汁が流れなくなるなります。すると、管の中の圧が上がり、強い腹痛や、尿が濃くなる、皮膚が黄色くなる黄疸の症状が出てきます。放っておくと、敗血症や意識障害を引き起こし、多臓器不全で死に至ります。

 外科的な治療も可能ですが、体に負担の少ない内視鏡治療を勧めています。口から内視鏡を入れ、十二指腸側の出口である十二指腸乳頭を切開して、石を取り出します。石を取るのが最終目標ですが、重症の人の場合は、チューブを入れて汚い胆汁が抜け、炎症が治まってから治療することもあります。

 内視鏡治療であれば、早い人で1週間もかからないうちに退院することが可能です。



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(2013年08月29日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

医療人情報

  • 内科部長  河本 博文
    倉敷青陵高、岡山大大学院医学研究科卒。医学博士。広島市民病院、岡山大学病院を経て2011年から現職。

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