チーム医療で社会復帰を支援

 外来と病棟診療で統合失調症を中心に診ています。統合失調症というと幻聴や妄想などの症状から怖い病気という偏見を持たれがちですが、発症頻度は100人に1人とされており、それほど特別な病気というわけではありません。

 治療は薬物療法が中心になります。従来の抗精神病薬は過沈静や強い便秘などの重い副作用のため、それを抑える別の薬を服用するなど患者さんの負担も大きかったのですが、最近では副作用が出にくい薬が開発され、QOL(生活の質)改善にもつながっています。

 投薬と併せて行っているのがSST(ソーシャルスキルトレーニング)などの生活療法。人づきあいが苦手な人も多いので、例えば嫌なことをどう断るかといった日常のありふれた対処法を指導します。また患者さんと家族に病気への理解を深めてもらうための心理教育も欠かせません。チームで治療にあたることが重要で、有効であるとされています。

 患者さんにはできるだけ早期に適切な治療を受けていただき、社会的な支障が出ないうちに元の生活に戻れるよう、支援していきたいと考えています。

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(2015年10月19日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

医療人情報

  • 精神科医師  清水 義雄
    岡山大学医学部卒業。県立岡山病院(現岡山県精神科医療センター)、米国・ロックフェラー大学留学、国立病院機構岡山医療センターなどを経て、2009年9月から万成病院に勤務。

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