トマトとサワラの重ね煮 引き立つ香りや甘み

 朝晩はずいぶん涼しくなりました。厳しい暑さを乗り越えて体の緊張が緩むこの時季は、体調を崩しやすいので注意が必要です。今回のメニューで弱り気味の体をいたわってください。

 トマトは余分な塩分を排出するカリウムや、動脈硬化予防に効果があるとされるリコピンが豊富。特に夏場の疲れがたまりやすい心臓の働きを助けてくれます。熱を加えることで爽やかな香りや甘みがいっそう引き立つし、とろっとした食感もたまりませんね。

 トマトをサポートするのは、サワラと、そのうま味を吸い込んだジューシーなタマネギ。サワラは調理前に皮目に浅く切り込みを入れてください。身が縮みにくくなり、ふんわり軟らかく仕上がります。タマネギは厚めに切るのがポイント。形崩れしにくく、素材本来の味わいが楽しめます。

 カラフルな仕上がりも特長で、わが家では子どもが幼いころに食卓に載せると歓声が上がったものでした。私にとって、懐かしい声が聞こえてくる思い出の一品でもあるのです。


 ▼材料(5人分)

 サワラの切り身5切れ、トマト2個、タマネギ2個、トマトジュース100ミリリットル、塩こしょう少々、しょうゆ少々、ゆでたトウモロコシ1/2本分、ゆでたインゲン5本程度、ミニトマト適量

 ▼作り方

 (1)サワラの切り身は、皮目に切れ目を入れてから塩こしょうを振る

 (2)トマトとタマネギは厚さ1センチの輪切りにする。インゲンをトウモロコシの粒サイズに切る

 (3)鍋にトマトジュース、トマト、タマネギ、[1]を順に重ね、塩(分量外)を振ってふたをし、弱火にかける。蒸気が出てきたらさらに10分煮る

 (4)火を止めて[3]にしょうゆを回し入れる。器に盛り、トウモロコシ、インゲン、ミニトマトを飾り付ける



 こやま・つきえ 広島県豊浜町(現・呉市)生まれ。2000年5月に創作野菜料理店「野菜食堂こやま」(岡山市北区田町)を開店。各地で料理教室や講演会の講師も務める。著書は「野菜食堂こやま 幸せつなぐ毎日の食卓」(吉備人出版)。 野菜食堂こやまのHPはhttp://831580.com/

(2015年09月24日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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