食事と運動で動脈硬化予防を

 日本人のライフスタイルは、食生活の欧米化や、移動手段の多様化などにより大きく変化しこれに伴って動脈硬化に起因する疾病が増加しています。現在、心臓病は日本人の死因の第2位で、その中でも最も多いのが虚血性心疾患で代表的なものが心筋梗塞です。虚血性心疾患の原因である「動脈硬化」は気づかないうちに進み、ある日突然死に至るような発作を起こすため心臓病は怖いと言われています。虚血性心疾患を起こさないためには動脈硬化の発症、悪化を起こさないようにすることが大切となります。

 動脈硬化を発症、悪化さたりする要因を危険因子といい、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、肥満、喫煙、ストレス、加齢、家族歴があります。危険因子を放置すると、動脈硬化がどんどんすすんでいいき、心筋梗塞や脳梗塞などの生命に関わる病気を引き起こします。また、危険因子が重なると、たとえそのひとつひとつが軽症だったとしても、疾患の危険度は急激に高まります。年齢や、家族歴は自分自身ではどうにもなりませんが、その他の危険因子は日々の心がけにより改善することが可能です。

 動脈硬化の危険因子を是正するためには、食事の改善と生活の中に運動を取り入れることが必要となります。食べ過ぎによるエネルギーの摂り過ぎを減らし、肥満を是正します。減量する事で、血圧が下がり、血圧や血清脂質がコントロールされます。食事から取る塩分を減らしたり、ナトリウムを体の外に出しやすくしたりする事で血圧を下げることもできます。運動の方法には、ウォーキングや自転車など様々な方法がありますが、買い物や掃除、階段の使用、通勤手段の工夫、趣味など日常の生活活動も立派なエクササイズとなります。1日の生活の中で意識的に体を動かすように心がける事が大切です。喫煙している方は必ず禁煙をしましょう。

 心臓を守るためには動脈硬化の進行を妨げる食事の改善、日常生活での運動が大切になってきます。これからもみなさまがお元気で過ごしていただきたいと思っています。また心臓病になられている方も食事、運動療法などを行いながら心臓病と上手に付き合ってもらい再発予防に努めていただきたいと思っています。

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(2015年10月22日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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  • 看護師  金岡 道子

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