女性の痔、パンフを産婦人科へ提供 倉敷のチクバ外科、受診の契機に

チクバ外科・胃腸科・肛門科病院が女性向けにつくった痔のパンフレット

赤松病院の採尿用トイレに置かれたパンフレット。目立たない場所で気軽に手に取れるので好評という

 チクバ外科・胃腸科・肛門科病院(倉敷市林)は、女性向けに痔(じ)の症状と治療法を解説したパンフレット「妊婦さん、子育て中のママへ」を、地域の産婦人科病院へ配布する活動を広げている。痔の悩みを抱えやすい産前産後の女性が、パンフレットを手に取る機会を増やすのが狙いだ。

 チクバ外科病院によると、妊娠中は子宮が大きくなったり、ホルモンバランスが変化することで便秘がちになり、肛門周囲にうっ血が起こりやすい。出産時に強くいきむことも負担となり、痔になりやすいという。このため正しい知識を広めようと2014年にパンフレットを作成し、15年ごろから地域の産婦人科に声掛けを始めた。

 現在、定期的に配布しているのは倉敷、岡山市内の7病院。各病院は、妊産婦が手に取りやすい場所に設置したり、悩みを訴える患者の指導に使うなど、さまざまに活用している。設置病院の一つである赤松病院(倉敷市老松町)では、妊婦から痔についての相談を受けた場合にパンフレットを渡して指導しており、赤松可得院長は「専門医が作っているので情報の信頼度が高く、安心して妊産婦に渡せる」と話す。医師には直接相談しない妊産婦が、目立たない場所で気軽に手に取れるよう、採尿用のトイレにも置き場を設けており、好評だという。

 パンフレット配布をきっかけに、チクバ外科病院と産婦人科病院のスタッフが、互いの専門知識を学び合う研修も開催。チクバ外科病院スタッフが、妊産婦の痔の正しい処置やケア方法、妊娠中にも治療できることなどを伝える一方、産婦人科スタッフは、注意が必要な妊産婦への薬の処方の知識などを伝えている。

 最近では、以前に比べ妊娠中にチクバ外科病院を受診する女性が大幅に増加している。パンフレットがきっかけとなり、早めの受診につながっているようだ。同病院は「パンフレットを希望する産婦人科病院があれば、積極的に広めていきたい」としている。

 パンフレットは、チクバ外科病院ホームページにも掲載している。問い合わせは同病院(086―485―1755)。

(2017年03月20日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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