保険診療でがん治療ロボット手術 岡山大病院、胃とぼうこうで使用

岡山大病院が行っているダビンチを使った胃がんの手術。6月から保険診療となる(同大病院提供)

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は6月から、内視鏡手術支援ロボット・ダビンチを使った胃がんとぼうこうがんの手術を保険診療で始める。症例数が国の基準を満たしたためで、岡山県内の医療機関では初。同様の処置を医師の手で行う腹腔(ふくくう)鏡手術と比べ、医療費はほぼ同じ、患者の体への負担は少ないという。

 ダビンチは、操縦席の医師が3D画像を見ながらロボットアームを遠隔操作する。人の手より正確な動きが期待でき、胃がん、ぼうこうがんとも出血を抑えられるなどのメリットがあるという。

 これら2種類のがんに対するロボット手術は4月の診療報酬改定で保険適用になった。岡山大病院はこれまでに胃がん18例、ぼうこうがん6例のダビンチ手術を重ね、それぞれ10例以上、5例以上とされている適用基準をクリア。自費診療の場合、いずれも200万~300万円とみられる患者負担は6月以降、原則3割となるが、高額療養費制度によりさらに軽減される。

 同大病院は2010年9月、県内の医療機関で初めてダビンチを1台導入。17年11月に機器を更新し、約3億円をかけて新型を含む2台を購入した。前立腺がんの手術(保険適用は12年4月)と腎臓がんの部分切除(同16年4月)を中心に今年4月末までに909例の手術を重ねてきた。

 4月からは肺がんや食道がん、子宮体がんなどのロボット手術も保険適用となっており、同大病院はこれらのダビンチ手術も早ければ年内に始める予定。

 同大病院低侵襲治療センターの小林泰之講師(泌尿器科)は「手術の合併症が起きた場合に保険でカバーできるようになることも、保険適用の利点」としている。

 県内では他にも4施設でダビンチを導入している。

(2018年06月01日 更新)

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