玉野のメタボ健診受診率が低迷 16年度20.6%で県内ワースト

ちらしなどを配り、メタボ健診の受診を呼び掛ける市職員(左側)=23日、メルカ

 国民健康保険(国保)の加入者を対象にした特定健康診査(メタボ健診)の玉野市内の受診率が低迷している。2016年度の受診率は20・6%で、15年度(21・6%)に続いて岡山県内ワーストだった。受診を機に、メタボリック症候群と判定された人への健康指導が進めば、糖尿病などの生活習慣病の予防につながる効果が期待できるため、市は未受診者への個別勧奨や街頭啓発に努めている。

 国保は自営業者や農業者らが加入。メタボ健診は40~74歳を対象に年1回、腹囲測定や血液検査などをする。自己負担は千円で、がん検診とセットで受けることも可能だ。メタボリック症候群やその予備軍とされた人は、生活習慣改善のための指導を受けられる。

 市内の受診率は、取り組みがスタートした08年度は28・1%で県平均(25・4%)を上回っていたが、その後は20~23%台で推移。県平均を下回り、12年度以降は県内ワースト5位以内が続いている。16年度は国保加入の対象者1万1429人のうち、受診したのは2358人だった。

 市保険年金課は「『仕事が忙しい』『健康だから必要ない』という理由で受診しないケースが目立つ。メタボリック症候群は知らないうちに進行し、自覚症状がないことを理解してもらえていない」と説明する。

 受診率アップのため、17年度からは未受診者に対し、はがきを送ったり電話や訪問で健診の趣旨を説明したりしている。18年度は市医師会、市歯科医師会、県薬剤師会玉野支部の協力で啓発用のポスターやちらしを病院、薬局に張り出し、周知に努めている。

 23日にはメルカで啓発活動を行い、市と県国民健康保険団体連合会の職員が「自分は大丈夫だと過信しないで」と買い物客に声を掛けながら、ちらしなどを配った。

 市は23年度までに受診率を36%へ引き上げる目標を掲げており、片山琢巳・保険年金課長は「生活習慣病は発症してしまうと治療に時間も費用もかかる。受診を習慣にしてもらえるよう粘り強く呼び掛けたい」と話す。

(2018年08月30日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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