井原市民病院が綿花栽培に着手 収穫体験、患者のリハビリにも

綿の実の収穫を体験するお年寄りら

 井原市井原町の井原市民病院が今年から、井原デニムをPRする「D#(ディーシャープ)プロジェクト」の一環として、病院敷地内で綿花の栽培に着手。患者とともに綿の実の収穫を行うなど、リハビリにも役立てている。

 病院職員の発案により、使われていなかった職員駐車場花壇を活用。今年5月から花壇の土を耕し、施肥、種植え、水やりなど世話を続けてきた。幅約40メートルの花壇に植えた数百本がたび重なる台風による倒伏被害も乗り越え、秋には白い綿を付け始めた。

 10月中旬には、地域包括ケア病棟に入院するお年寄りの患者4人が、リハビリの一環として収穫を体験。ふわふわとした真っ白な綿の実を見つけては「きれいなのができとる」と摘み、袋に入れていった。かつて自宅で綿花を育てていたという患者もおり、「学校から帰るとよく綿を摘んどった。嫁入りの布団も自分とこの綿で作ったんよ」と昔を懐かしんでいた。

 同病院ではリハビリのほか、市内の子供たちが地場産業について学ぶ際などにも花壇を活用してもらう計画。収穫した綿は、市内の新小学1年生に贈る井原デニムのトートバッグ作りに利用している。

(2018年11月28日 更新)

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