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新生児の心疾患、新治療で負担軽減 岡山大病院 動脈管開存症、結節部に「ふた」

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は、心臓付近にある動脈管が閉じない新生児の先天性心疾患「動脈管開存症(PDA)」の新たなカテーテル治療に取り組んでいる。鼓のような医療器具で動脈管に“ふた”をする治療法で、患者の負担が少ないのが特長。同病院によると、岡山大を含め、国立循環器病センターなど全国6病院しか実施していないという。

 治療は、患者の太ももの付け根からカテーテルを挿入、先端部分に小さくして収納した「ダクトオクルーダー」(ニッケル・チタニウム合金製)と呼ばれる医療器具を動脈管と大動脈の結節部分に送る。元の大きさに戻してふたをすることで、血液が流れ出すのを止める。

 治療を担当する同病院小児科の大月審一准教授らによると、同治療法は7月に保険適用になった。閉鎖に要する時間は数分で、全体の施術時間も1時間半程度で済む。

 同大病院では8月4日、鳥取市の女児(2)に初めて実施して以来、7症例(3日現在)を手掛けており、いずれも完全な閉鎖に成功。PDA患者によくみられる心雑音も消えたという。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年11月04日 更新)

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