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倉敷中央病院・GEヘルスケアと契約 高度医療、効率運営両立へ

院内にある医療機器の位置情報データを収集するために設置された装置

ブリリアント・ホスピタル構想の実現に向け、包括契約を結んだ倉敷中央病院の山形院長(左から3人目)ら倉敷中央病院とGEヘルスケア・ジャパンのスタッフ

 倉敷中央病院(倉敷市美和)は、インターネットと人工知能の技術を駆使して、高度医療の充実と運営の効率化を両立させる「ブリリアント・ホスピタル構想」の実現に向け、医療機器メーカーGEヘルスケア・ジャパン(東京)と包括契約を結んだ。手始めに院内の医療機器にセンサーを取り付けて稼働状況を把握し、最適な配備・運用計画をつくる。

 契約期間は昨年7月から2021年6月まで。本契約に先立ち、17年12月からGEヘルスケア社のシステムを試験導入し、手軽に移動できる超音波診断装置(エコー)約130台すべてに位置情報発信器を取り付けた。エコーが院内のどこでどれくらい使われているかというデータと、電子カルテなどから導かれる治療のニーズを突き合わせ、各診療科に配備するエコーの優先順位の検討などに役立てている。

 今後、他の医療機器にも同様のシステムを取り入れ、スタッフが使うモバイル端末と、電子カルテや患者の臨床データなどをネットでつなぎ、院内の「ビッグデータ」を積み上げていく計画。同病院とGEヘルスケア社は共同プロジェクトチームを立ち上げ、データを管理し、運営改善に向けた分析に当たる。

 ブリリアント・ホスピタル構想は、運営の効率化だけが目的ではなく、付帯業務を減らすことで医療スタッフの働き方改革に貢献し、患者にとっても手厚い個別医療やケアが期待できるというメリットがある。

 山形専院長は「これからの病院は情報通信技術による革新が急務。今回の包括契約を機に、いっそう地域や他の医療機関から頼られる体制づくりを進めていきたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2019年01月21日 更新)

タグ: 倉敷中央病院

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