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09年度「産科医療功労者厚労大臣表彰」 倉敷中央病院・長谷川部長に聞く

長谷川雅明部長

 倉敷中央病院(倉敷市美和)が、長年にわたって地域のお産を支えてきたとして、厚生労働省が初めて設けた2009年度の「産科医療功労者大臣表彰」を受賞した。産婦人科の長谷川雅明部長(51)に受賞の喜びとともに、地域での課題や今後の抱負を聞いた。

 他病院と連携 教育に力

 ―2000年、当時としては県内初の総合周産期母子医療センターに指定され、ハイリスク分娩(ぶんべん)を受け入れている。

 「搬送依頼は断らず、他病院と連携して“たらい回し”は100パーセント防いでいる。実績が評価されたことは、素直にうれしい」

 ―さらに施設、環境整備が進むと聞いている。

 「09年度から常勤医が3人増の12人体制になった。10年度以降に新生児集中治療室の増床や陣痛室の増室を予定している」

 ―全国的に産婦人科医不足が深刻だ。

 「倉敷市も例外ではなく、医師不足から分娩の受け入れをやめる病院が相次いでいる。分娩施設がない児島地区をはじめ、市全体でも綱渡りの状態」

 ―一方で、同病院の分娩件数は増加の一途。09年は1202件で10年前と比較すると、約400件増えている。

 「周辺施設が減っている分、正常分娩も他病院からの搬送も増えている。だが、当面は制限するつもりはない」

 ―今後の抱負は。

 「研修医や地域の産科医、助産師への教育に力を注いでいく。周りの病院と連携を図りながら“最後の砦(とりで)”としての役割を果たしていきたい」
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年03月11日 更新)

タグ: 女性お産倉敷中央病院

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