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第5回 国立病院機構岡山医療センター 生体肝移植 一般病院で全国初の成功

前身の国立岡山病院時代、一般病院として初めて行った生体肝移植手術=1992年8月(岡山医療センター提供)

 岡山医療センターの歴史で欠かすことのできないのは、前身の国立岡山病院時代の一九九二年八月、当時小児外科医長だった青山興司院長らが成功させた生体肝移植手術だ。大学付属ではない一般病院では全国で初めてのケースだった。

 患者は一歳男児。肝臓と十二指腸をつなぐ胆道が機能せず、脂肪の吸収を助ける胆汁が流れない胆道閉鎖症。一万人に一人とされ、治療を受けなければ半年から一年の命と診断されていた。

 医師団は、男児の肝臓を切除して取り除く代わりに、三十代の母親が肝臓の一部を提供する生体肝移植手術を決断した。

 島根医大での第一例(一九八九年)以来、全国で五十七例が実施されていたが、すべて大学病院での症例。それでも医師団は「助けるには移植しかない」と、十二時間にもおよぶ手術を行い、成功させた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年02月26日 更新)

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