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第7回 津山中央病院 (がん治療)ESD治療 今川敦・内科副部長 短時間ですみ負担軽減

ESD治療をする今川副部長

 胃、大腸、食道の早期がんで粘膜下層にとどまっているがん病巣は内視鏡的粘膜下層はく離術(ESD)で切除する。治療時間は一―二時間。痛みがなく、約一週間の入院ですみ、開腹手術に比べ患者の負担が軽い。

 津山中央病院は早くからESD治療に取り組み、通算六百六十一例、九割近くが胃、次いで食道、大腸の順。三年前からは今川副部長を中心に三人の内科医が治療している。「食道、大腸は中が狭く、内視鏡の動きが制限され、しかも腸壁は薄く、破れやすいので難しい」と言う。しかし、胸から腹へ大きく開いて七―八時間の大手術になる食道がん手術に比べると患者は楽。

 問題は胃壁、腸壁が破れる可能性。「私たちの病院の 穿孔 ( せんこう ) 率は3・7%だったが、昨年は1%台になった。全国的にも好成績です」と今川副部長。もし壁が破れるとクリップでふさぐ処置をとる。「鎮静剤を点滴し寝た状態で、慎重に安全に治療を進めるよう心掛けています。治療後、病理検査で取り残しがないかを確認する」と話す。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年03月11日 更新)

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