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第14回 慈圭病院 慈圭精神医学研究所 正確な診断に活用

石津秀樹研究部長

 一九五八年に院内に開設された「慈圭精神医学研究所」は、入院患者らから死後、提供を受けた約六百人の脳を解剖、標本にして保存。精神科では貴重な脳病理の研究施設となっている。

 スタッフの池田研二医師は東京都精神医学総合研究所にいた時、帝銀事件(四八年)の故平沢貞通元死刑囚の脳を解剖、狂犬病ワクチンの副作用で神経細胞が 壊死 ( えし ) した痕跡を見つけた。虚言などで自白の信ぴょう性が疑われていただけに、研究は話題を呼んだ。

 うつ病と診断されていた患者が他の代謝疾患だったケースなど、臨床で分からなかった病気が判明することもある。石津秀樹研究部長は「正確な診断は治療の第一歩。研究を臨床にフィードバックする積み重ねが大切」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年05月13日 更新)

タグ: 精神疾患慈圭病院

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