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第14回 慈圭病院 学校との交流 行き来し、農作業や運動会

サツマイモを患者と一緒に収穫する浦安小児童=2006年

 精神障害者への偏見をなくし、理解を進めるため、病院は地域と積極的につながってきた。特に「子どもの時からのかかわりが重要」と始めた、隣接する浦安小(岡山市浦安本町)との交流は三十年余りも続いている。

 一九七五年、入院患者らが同小の生け垣をせん定したのが最初。文化展に患者の絵を出品したり、病院のデイケアに児童を招いてゲームをするなど交流を重ね、八五年からは年間計画を立てて行き来するようになった。

 同小は病院との交流を四年生の総合学習に位置づけ。サツマイモの植え付けや学校の文化展、音楽演奏会に患者が参加し、病院の運動会には児童を招待して玉入れなどで触れ合っている。医師が学校に出向き「心の病」の講義も行う。

 「運動会で、離ればなれになった子や孫を児童に重ねるのか涙ぐむ患者さんもいる」と石川恵美子看護部長。

 児童には難しいテーマだが、一年間の総仕上げで二月に院内で開いた「ふれあいまつり」では児童から積極的に折り紙を教えたり将棋に誘うなど、喜んでもらおうと頑張る姿が見られたという。

 「違和感なく普通に接している」と同小の三浦英憲講師。「患者だけでなく、周りの友だちを思いやる心が自然に芽生えているのも交流の良さ」と話す。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年05月13日 更新)

タグ: 精神疾患慈圭病院

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