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第15回 おおもと病院 庄達夫院長 患者に優しい医療提供

庄達夫院長

 おおもと病院は1977年、乳腺疾患と消化器疾患の専門病院として開院した。特に乳がん手術の症例数では岡山県内でトップ。早期発見、治療のために、早くから各地で検診の重要性を啓発し、取り組んできた。乳がん手術の体験者の会を支援し、近隣の医療機関との定期的な症例検討会で地域医療の向上も努めている。


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庄達夫院長

 三十一年間、乳腺疾患と消化器疾患の専門病院として、コツコツと医療を行ってきた。病院の理念・基本方針は「乳腺、消化器疾患の専門病院として早期発見、早期治療に全力を尽くす」「患者さま中心の医療を誠実に実行し、地域の人々の信頼を得る」「職員の相互信頼と協調で明るくやりがいのある職場をつくる」だ。

 平均入院日数は十日余りで、岡山県内の病院で最少の一つ。「患者に優しい医療を行う」ことを心掛けている。例えば胃腸科の内視鏡検査。苦しい検査と思われるが、画像が精密で、見落とし部がなく、内視鏡的生検診断をはじめ切除、治療が、安全に低侵襲で行える方法だ。

 内視鏡検査を受けやすいよう鎮静剤を使っている。このため、検査に伴うおう吐などがない。鎮静剤を希望しない人には鼻からの挿入も行っている。前年度、胃カメラを四千五百十人、大腸ファイバーは二千二百五十人に行った。

 開腹手術後は、 疼痛 ( とうつう ) 緩和のために、硬膜外チューブを挿入し、術後は鎮静剤を四、五日間、持続的に注入している。このことで術後の痛みが少なく、患者は温和な顔をしている。

 前年度の手術のうち、内視鏡による切除は胃がん(六十九例)が二十二例、大腸がん(六十六例)は十九例。腹 腔 ( くう ) 鏡補助下で腸は七例、胆石(四十二例)は四十例を腹腔鏡手術をした。

 診断、治療、手術はもとより、がん患者の終末期にも鎮痛緩和療法を行っている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年05月20日 更新)

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