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新型インフル 岡山で流行の兆し 集団感染7月から10件 患者9割10代以下 9月以降拡大も

 新型インフルエンザの集団感染が、岡山県内で7月下旬から今月18日までに10件発生し、累計患者80人のうち、10代までが約9割(70人)を占めていることが20日、県のまとめで分かった。流行の兆しをみせており、県健康対策課は「2学期が始まる9月以降、急速に感染が拡大する恐れがある」としている。

 70人の大半は中学・高校生。県は濃厚接触の時間が長い部活を通じて感染したケースが多いとみている。

 県内では6月24日に20代女性の感染を初確認。県は7月下旬から、新型インフルエンザ患者の全数把握をやめ、集団感染(10人以上の集団で2人以上が感染)などに限って状況を把握している。

 集団感染は7月30日に初めて確認された。具体例では、県外に遠征、合宿するなどした高校の運動部の生徒計17人が感染。全国高校総体バレーボールに出場していたチームの選手5人の感染が判明、試合を辞退した。

 インフルエンザの県内流行の目安となる指定84医療機関の1施設当たりの患者数(季節性も含む)は8月3―9日が0・18人。10―16日には夏場としては異例の0・4人に急増した。例年の11月ごろと同水準。ほとんどが新型とみられる。

 県は対策として、手洗いうがいの励行▽早めに医療機関を受診▽マスク着用の徹底―などを挙げ、発熱などの症状があれば部活、学校を休むなど拡大防止に努めるよう呼び掛けている。学校、病院などに再度徹底する方針。

 同課の則安俊昭課長は「今後、幅広い年齢層に感染が拡大する可能性もある。全国では3人が死亡しており、重症化の危険が高い妊婦や透析患者らは特に注意が必要」としている。


県内4病院 10床以上を確保 小児重症患者に対応

 岡山県内の小児科医らでつくる「県病院小児科新型インフルエンザ対策会議」は20日までに、新型の本格的な流行でインフルエンザ患者が急増した場合、小児の重症患者に迅速に対応するための専用ベッドを県内4病院で計10床以上確保することを決めた。

 4病院は岡山大病院(岡山市)、国立病院機構岡山医療センター(同)、倉敷中央病院(倉敷市)、川崎医科大付属病院(同)。人工呼吸器などの設備が整い、高度な治療ができる病院を選んだ。

 病院の小児科は秋から冬にかけて季節性インフルエンザの患者であふれる。このうち脳症や肺炎などの重症患者は県内で例年5~10人出るが、今年は新型の影響で数倍程度増えることが見込まれるとして、特別にベッドを確保することにした。

 同会議呼び掛け人の森島恒雄岡山大教授は「重症患者がどの程度増えるか予測は難しいが、病院間でたらい回しされることが絶対ないようにしたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年08月21日 更新)

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