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呼吸管理必要 妊婦対応7施設可能 新型インフル感染中に分娩

 新型インフルエンザ感染中に分娩(ぶんべん)をするケースや、呼吸管理が必要になった重症妊婦について、岡山県内では岡山大病院(岡山市)など7施設で対応可能なことが、日本産科婦人科学会岡山地方部会などの調査で18日、分かった。岡山市で20日開かれる県内産婦人科医の会合で報告する。

 妊婦は新型インフルエンザをはじめ感染症にかかると、重症化するリスクが高いとされる。同学会などは、妊婦間の感染を防ぐため、感染が疑われる場合にはかかりつけの産婦人科ではなく、地域の一般病院での受診を呼び掛けている。

 調査は県内六つの周産期母子医療センターと、産婦人科のある主な総合病院の計11施設を対象に今月実施。新型に感染した妊婦の分娩▽呼吸管理が必要な重症妊婦の受け入れ―の可否について10施設から回答を得た。

 分娩と呼吸管理が必要なケースのいずれも対応可能なのは岡山大病院と国立病院機構岡山医療センター(岡山市)、川崎医科大付属病院(倉敷市)、倉敷中央病院(同)、津山中央病院(津山市)。岡山済生会総合病院(岡山市)と倉敷成人病センター(倉敷市)は「当院で健診に来ている妊婦に限って対応する」とした。

 呼吸管理が必要なケースの対応のみ困難としたのは岡山赤十字病院(岡山市)と玉野市民病院(玉野市)。その理由として、岡山赤十字病院は「院内の感染拡大防止対策が難しい」、玉野市民病院は「病床数に限りがあり、人工呼吸器も不足している」とする。

 一方、受け入れ自体が難しいと答えたのは岡山市立市民病院(岡山市)。同病院は「産婦人科医が2人しかいない上、新生児集中治療室(NICU)もなく物理的に困難」と説明する。

 同部会長の平松祐司岡山大大学院教授は「重症化妊婦の対応が可能な病院を地域の産婦人科医らに周知することで、各医療機関が共通認識を持って患者に対応できるような態勢を取りたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年09月19日 更新)

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