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新型インフル 重症は中核病院へ 県医師会 透析患者の治療方針

多くのベッドが並ぶ透析用の部屋。感染拡大を防ぐのはきわめて難しい=重井医学研究所付属病院

 県内でも新型インフルエンザが本格的に流行する中、県医師会透析医部会・感染症対策委員会は21日までに、重症化のリスクが高いとされる透析患者が感染した場合の治療方針を固めた。軽症患者はかかりつけの医療機関で対処し、肺炎など重症化した患者は人工呼吸器がある中核病院を紹介し、転院してもらう。

 透析患者は通常、週に3回通院して人工透析を受ける。大半の医療機関は大部屋に多くのベッドを並べており、インフルエンザ患者が出ると感染拡大の危険が高まる。

 透析患者が感染した場合、日本透析医会のガイドラインに従い、個室または最低でもベッドの間隔を2メートル以上離すか、他の患者がいない時間帯に来院してもらって透析を実施。治療薬タミフルはその医療機関が処方する。

 重症患者が出た場合は、設備が整った医療機関ではそのまま入院して治療。無床診療所など対応が不可能なケースでは岡山大病院(岡山市北区鹿田町)、国立病院機構岡山医療センター(同田益)、倉敷中央病院(倉敷市美和)など人工呼吸器を備え、専門医のいる中核病院を紹介する。

 同委員長の有元克彦・重井医学研究所付属病院血液浄化療法部長は「肺炎を併発すると急速に症状が進んでしまうため、細心の注意を払って治療に当たりたい」としている。

 同部会は感染力が強いとされる新型の流行に備え、6人の透析医からなる対策委員会を8月に設置。治療方針を話し合っていた。

 同部会によると、県内の透析患者は約60施設に通う約4500人。季節性インフルエンザでも年間数人が重症化しており、近隣の中核病院を紹介するなどしている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年09月22日 更新)

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