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食事取りにくい患者に光 地域一体で栄養サポート おかやま懇話会発足 県内医師ら50人で構成

おかやま栄養連携懇話会の第1回勉強会。医療・福祉関係者らが協力して患者の栄養状態の改善を目指す

 病気、けがなどで食事が取りにくくなった患者の栄養状態の改善を目指す「おかやま栄養連携懇話会」が今月中旬、発足した。県内の医療・福祉関係者が“垣根”を越えて協力して知識や情報を共有。患者が施設を移ったり、在宅になっても切れ目のないサポートが受けられる環境をつくるのが狙い。

 医師や管理栄養士、ケアマネジャー、薬剤師、県の担当者ら約五十人で構成。先進的に患者の栄養改善に取り組んできた備前市立吉永病院の梶谷伸顕医師が代表世話人に、岡山大大学院医歯薬学総合研究科の田中紀章科長や岡山労災病院の清水信義院長らが顧問に就任した。

 メーリングリスト(一斉送信の電子メール)でメンバーに質問を投げ掛けるなど、常時相談し合える体制を構築。事例ごとに情報を交換、工夫した調理方法や胃に開けた小さな穴から栄養剤を投与する「胃ろう」など最適な栄養補給方法を探る。年に一、二回程度、勉強会を開いて関連知識の向上も図る。

 県内では二〇〇〇年から、病院単位の「栄養サポートチーム(NST)」導入が徐々に進んでいる。だが、岡山大病院などが今春行った調査によると、県内の病院で栄養失調状態に陥っている患者は三割超。訓練すれば食べられる状態でも点滴だけを施すなど、スタッフや知識の不足のため適切な栄養補給ができていないケースが多いという。

 同会が発足した十一日、第一回の勉強会を開き、メンバーや関係者ら約三百人が地域連携の事例などの情報を交換した。梶谷代表世話人は「総合的にケアできるよう、会を地域全体のNSTとして機能させ、県内の“栄養ケア”の質を向上させたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年10月29日 更新)

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