文字 
  • ホーム
  • 岡山のニュース
  • 患者支えて10年 岡山済生会病院ボランティア 身辺の世話から外来案内へ 広がる活動の幅

患者支えて10年 岡山済生会病院ボランティア 身辺の世話から外来案内へ 広がる活動の幅

緩和ケア病棟の患者にお茶のサービスをする岡山済生会総合病院ボランティア

 岡山済生会総合病院(岡山市伊福町)のボランティアグループが活動をスタートさせて十年が経過した。入院患者の身の回りの世話や外来案内などに献身的に取り組み、患者と病院をつなぐ貴重な役割を果たしている。

 「お茶をどうぞ」。末期がん患者が入る緩和ケア病棟でボランティアグループの近藤和代代表が、女性入院患者に飲み物を勧める。「ありがとう」。笑顔を交わす二人の間には、日ごろから接することで信頼関係が生まれている。

 活動は患者の痛みをやわらげ、患者と家族を支援する同病棟が開設された直後の一九九八年九月に始まった。患者らの心のケアに向け「ボランティアの力を」という病院の呼び掛けに集まったのは四十三人。その数は徐々に増え、ピーク時の二〇〇二年度には百三十四人に達した。

 活動内容も、緩和ケア病棟での取り組みから外来案内に広がり、整形外科病棟でリハビリテーションに向かう患者の送迎▽医療関連の書籍やビデオなどを備える情報コーナーの利用案内▽外国人の受診などを手助けする通訳―と年を追うごとに幅を広げている。

 ボランティアコーディネーターの岡田美登里緩和ケア病棟師長は「患者のさまざまなニーズに対応するには職員だけでは難しいこともある。一般の方と接することで、入院患者は社会とのかかわりを持ち続けられ、精神的に励まされる」とする。

 十年間で活動したボランティアは約三百五十人。人数はここ数年減少傾向にあり、現在は約九十人が登録している。「心と心のふれあいを大切にでき、少しでも『患者さんのお役に立ちたい』と思う人なら大歓迎」と近藤代表。共に活動するボランティアを募っている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年01月19日 更新)

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ