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新型インフル 県内発生に備え強化 主要病院 専門診療や出入り口分離

新型インフルエンザを警戒し岡山済生会総合病院が屋外に設置した初期対応外来

 新型インフルエンザ感染が各地に広がる中、患者を受け入れる県内の主要病院では院内感染の防止対策や診療態勢を強化し、県内発生時に備えて緊張感が高まっている。

 「お熱はありませんか」。二十一日、感染症指定医療機関の岡山市立市民病院(同市北区天瀬)の玄関前。マスクを着けた看護師が、来院者から健康状態や関西方面での滞在歴などを聞き取る。

 新型インフルエンザ感染が疑われる患者と一般患者らを接触させないため、十八日から実施。疑いがあれば一般病棟には入れず、専用の診察室に誘導している。

 発熱相談センターを通じて来院する人は神戸市で国内初患者が確認されて以降、増加し、二十日は約二十人が訪れた。対応で医師と看護師、検査技師各一人を午後十時まで待機させている。

 同じく感染症指定医療機関の津山中央病院(津山市川崎)も、一般の患者が出入りしない診察室で診療。兵庫県に接する備前市の同市立備前病院(同市伊部)は十八日から一階倉庫を臨時診察室とした。兵庫県西部は市民の生活圏だけに危機感を抱くが、人手不足で夜間診療に対応できないのが課題という。

 岡山済生会総合病院(岡山市北区伊福町)は十七日、出入り口を北側に限定し、近くにテントを張って「初期対応外来」を開設。熱など症状がある人に申し出てもらい、簡易検査も屋外で行う。病院独自の対策で、感染制御室長の六車満医師は「院内感染を徹底して防ぎたい」と話す。

 県は、発熱外来として感染症指定医療機関など十六医療機関を確保。ただ、県南に偏っているため、プレハブなど外来施設設置費の助成、医療用マスクの配布などを決め、十カ所程度の外来増を目指している。

 県内感染が広がった場合は、早期に一般医療機関での治療を始め、発熱外来では重症患者の治療に移行することも検討している。


夜間休日の発熱相談番号変更

 県、岡山、倉敷市は21日、新型インフルエンザ感染が疑われる人からの電話相談に応じる「発熱相談センター」のうち、夜間や休日などに対応するコールセンターの電話番号を変更した。備前保健所(岡山市中区古京町)内から県庁内に移転したため。

 開設時間は平日夜間が午後5時15分―翌午前8時半。土日、祝日は終日、対応する。


コールセンターの電話番号

 086―226―8092
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年05月22日 更新)

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