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第26回 川崎医大病院② 肝臓がん 日野啓輔教授(肝胆膵内科) インターフェロンで予防

肝臓がんについて説明する日野教授

 山口大医学部卒。四十八歳で山口大教授になり、今春から現職。B型、C型ウイルス性肝炎のインターフェロンなど抗ウイルス薬治療、肝がん発症予防治療、ラジオ波 焼灼 ( しょうしゃく ) 術など肝がんの先進的治療に取り組む。

 「肝がんの大きな特徴は再発率が高く、同時多発すること。二センチほどのがんが二、三カ所できることも珍しくない。一つ一つのがん病巣は治療できる。しかし多発し、繰り返すので長期的視点での専門治療が必要」と言う。

 これまで二十年間で肝炎のインターフェロン治療は千二百人。「肝炎、肝硬変の段階でインターフェロンを適切に投与すれば肝がん発症は抑えられる。学会でも証明されている」と発がん予防治療に自信を持つ。

 それでも患者の中には、がんに進展するケースも。二センチ以下のがん病巣をピンポイントで焼くラジオ波焼灼術、がん病巣へ栄養を送る肝動脈をふさぐ 塞栓 ( そくせん ) 術などを行う。「肝硬変を放置しておくと年間7%が発がんする。五年間だと35%。三人に一人と高率になる」と自覚を促す。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年08月26日 更新)

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