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慈圭病院デイケア棟 31日完成 作業通じ安らぎを 

完成間近のデイケア・作業療法棟「養浩館」

 精神疾患を専門とする慈圭病院(岡山市浦安本町)のデイケア・作業療法棟「 養浩 ( ようこう ) 館」が三十一日に完成する。木材をふんだんに使った開放的な間取りで、利用者への安らぎの効果が期待されている。

 既存施設の老朽化に伴い総工費約十億円をかけて整備した。鉄筋三階延べ約四千九百平方メートルで、建物中央に吹き抜けの階段を設け、診察室やオープンスペースの談話室を配置。二階は防音の音楽室や和室、三階は約百六十人が利用できる食堂のほか、地域にも開放予定の体育室を設けた。

 壁は腰の高さまで木材をはめ込み、ぬくもりを強調。照明は蛍光灯とスポットライトを多く取り入れ、廊下は従来の倍近い幅七メートルに広げ、圧迫感をなくした。

 八月末から利用を始める予定で、利用者は竹細工や絵画、調理などを通じ社会復帰を目指すという。村上基幸事務長は「心の病の回復に落ち着いた環境は欠かせず、 浩然 ( こうぜん ) の気を養うという意味で命名した。利用者と一緒に施設の運用を考え、よりよいサービスを提供したい」と話している。

 同病院を運営する財団法人「慈圭会」が一九七九年、民間の精神科として県内で初めてデイケアサービスを導入したのを機に、専門棟を建設。当初、一日十数人程度だった利用者が近年は百人を超えている。

 
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年07月24日 更新)

タグ: 精神疾患慈圭病院

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