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働く女性 健康サポート 岡山労災病院専門外来・田端りか医師に聞く

「働く女性が安心して医療を受けられる環境整備が必要」と話す田端医師

 全国6カ所の労災病院に、働く女性に配慮した女性医師による「女性外来」が設けられている。岡山労災病院(岡山市南区築港緑町)の女性専門外来担当医・田端りかさんは、11月13日にママカリフォーラム(同市北区駅元町)にこの6病院が参加して開く研究報告会「女性医療フォーラム」(労働者健康福祉機構主催)の準備を進めている。

 女性医療フォーラムは今年8回目を迎え、女性外来の事例などを報告。岡山では初開催。「更年期障害など女性特有の疾患や、男性医師には言いにくい心身の変調について安心して診察が受けられるのが女性外来の特長。女性の健康をしっかりサポートできる体制づくりに向け、知恵を出し合いたい」と言う。

 勤労者医療を担う労災病院の役割として近年、フォーラムの場でクローズアップされているのが、仕事と生活の両立を目指す「ワークライフバランス」。田端さん自身も2児を育てている経験から、「自分自身や子供が病気になった場合でも、受診のために職場を休みにくいのが社会の実情。パートだと職を奪われるケースもある。女性の社会進出が進む中、働く女性が安心して医療を受けられるような環境を社会がきっちりと整える必要があることを医師の立場からアピールしていきたい」と強調する。

 岡山労災病院では、2008年9月に女性専門の総合外来が開設された。田端さんが窓口になり、必要に応じて院内の婦人科や泌尿器科などの専門医に対応してもらっている。毎週金曜日の午後2時間、完全予約制で受け付けている。

 「これまで再診を含め今年3月末までに約250例、1日当たり平均4〜6人とほぼいっぱい状態。『どこに相談すればいいか分からなかった』とインターネット検索で知り訪ねて来た女性もいる。女性特有の疾患も多いが、メンタルケアを必要とする人も目立つ。仕事に加え家事、育児、介護と勤労女性の負担はいまだに大きいのが実情だ」
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年04月26日 更新)

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