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がん患者の復職相談オンラインで 倉敷中央病院 産保センターと連携

オンラインシステムを使い、画面上の岡山産業保健総合支援センターのスタッフに職場復帰を相談するがん患者(右)=倉敷中央病院がん相談支援センター

 倉敷中央病院がん相談支援センター(倉敷市美和)は、がんなど長期の治療を要する患者を対象にした職場復帰や経済問題の相談で、今月からオンラインシステムを導入した。新型コロナウイルス感染症のリスクを避けながら、気軽に相談できるようにする。

 毎月第2水曜の午後、同センターのソーシャルワーカー▽連携する岡山産業保健総合支援センター(岡山市北区下石井)の社会保険労務士や保健師▽患者本人や家族―の3者をオンラインで結ぶ。患者が自宅などからタブレットやスマートフォンで相談することを想定している。

 初回の8日は、同病院外来を受診した40代の男性患者=岡山県早島町=が、がん相談支援センターを訪れ、産保センターと接続してオンライン相談を受けた。

 男性は抗がん剤治療の副作用に苦しみ、フルタイム勤務での復職は困難な状態で、「医療費の捻出が不安だ」と訴えた。応対した産保センターの社会保険労務士森永陽子さん(両立支援促進員)は、短時間勤務や医療費の公的助成制度などに触れ「細く長く働く方向を考えてはどうか」などとアドバイスした。

 がん相談支援センターは当初、4月から産保センターのスタッフを迎えて対面相談を始める計画だった。しかし、新型コロナの影響で来院することが難しくなり、急きょオンラインに切り替えた。産保センターと連携して患者の相談に応じている県内8医療機関で、オンラインによる対応は初の試みという。

 支援センターの松嶋史絵室長(ソーシャルワーカー)は「会社の就業規則などに詳しい産保センターの方たちの力を借りて、患者さんが働くことを諦めることがないよう寄り添いたい。コロナの状況を見ながらオンラインの活用を続けていく」と話している。

 受診する医療機関にかかわらず利用でき、脳卒中などの人も受け付ける。無料。問い合わせは同病院がん相談支援センター(086―422―0210)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2020年07月20日 更新)

タグ: がん倉敷中央病院

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