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第47回 川崎医大病院③ 子宮頚がん 中村隆文・産婦人科准教授 診断に「5分」 経験と自信

子宮頚がんの診断をする中村准教授

 岡山県内では数少ない日本婦人科 腫瘍 ( しゅよう ) 学会専門医。子宮 頚 ( けい ) がんの診断が得意。

 子宮頚がんはウイルス感染し正常細胞から軽度、中度、高度異形成と進行、上皮内がん、浸潤がんとなる。綿棒で採取する細胞診で異形成の段階で分かる。

 「多くは高度異形成の段階で円すい切除手術をするが、高度異形成から上皮内がんに進行するのは四割。つまり六割は必要ない手術。コルポスコピー( 膣 ( ちつ ) 拡大鏡)診断で上皮内がんと見極めて手術するのが最適」と指摘。

 高度異形成か上皮内がんかを見分けるのは膣拡大鏡検査。子宮の入り口の上皮が白色化しモザイク状になり異形血管が出現すると頚がんと判断される。「肉眼で診断できる数少ないがん。白さ、厚み、血管を見て軽度、中度、高度、がんを見分けるが、微妙なケースもあり、細密な変化を見過ごさない経験と集中力が求められる」。二十六年間で六千例以上の経験があり「外来で五分間ですむ」という自信を持つ。

 「子宮頚がんは若い女性に多く、円すい切除するとその後、流早産する可能性が高く、綿棒の細胞診だけでなく膣拡大鏡検査を勧めます」

 旭川医大病院、大阪大学病院、富山大准教授を経て昨年、川崎医大へ。子宮頚がん、子宮体がん、卵巣がんなどが専門。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年03月23日 更新)

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