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第47回 川崎医大病院③ 閉塞性動脈硬化症 正木久男・胸部心臓血管外科准教授 壊死の状態 正確に把握

患者の足を検査する正木准教授

 大動脈 瘤 ( りゅう ) 、足の 末梢 ( まっしょう ) 動脈が詰まり 壊死 ( えし ) 、切断へと至る 閉塞 ( へいそく ) 性動脈硬化症など血管外科手術のエキスパート。

 高齢化とともに増えている閉塞性動脈硬化症の手術は千七百例に及び「中四国最多」と言う。症状は連続歩行すると 大腿 ( だいたい ) 部などに痛みが出て、休むと再び歩ける。夜、寝ていて足が痛むと進行しているケースが多い。

 診断は大腿部、ひざの後ろで脈が触れないと詰まっている。寝て、両足を上げ、悪い方は白くなり、血流がないと判断する。詳細は超音波ドプラ検査で壊死の有無、緊急手術の必要性などが分かる。

 治療は壊死前の状態ならソケイ部からカテーテルを入れ、へそのあたりから左右の足へ分岐する動脈で詰まっている部位に風船を膨らませ、血流を改善させる。風船療法が難しい場合は人工血管でつなぐバイパス手術。ソケイ部から足首までだと患者の大伏在静脈の弁を切除して約七十センチのバイパスを作る。

 「どういう治療が最適か、そのためには壊死の状態を正確に把握する検査が大事。その後、年齢、生活に合わせ話し合いで治療法を選択。バイパスが詰まらない開存率は国内トップレベル」と話す。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年03月23日 更新)

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