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審美治療 白い詰め物で見た目良く

コンポジット・レジンを用いた審美修復

従来の金属の詰め物をした臼歯

 よしやま・まさひろ 大阪府立茨木高卒。徳島大大学院歯学研究科修了。米ジョージア医科大歯学部客員講師、徳島大歯学部助教授、岡山大歯学部教授などを経て、2001年から現職。神戸市出身。52歳。

 変色した歯を白くし、歯の形態などを美しく整えるのが審美歯科治療。「白くきれいな歯は欧米ではステータス。日本でも、若い女性や中高年者の間でニーズが高まっている」と、岡山大大学院医歯薬学総合研究科の吉山昌宏教授(歯科保存修復学)は話す。

 黄色や黒褐色に変色した歯を白くするのが「ホワイトニング(ブリーチングともいう)」だ。「神経を抜くと、歯の再生力が失われる。できるだけ歯の機能を残す」という近年の流れに沿い、歯を削らず、漂白剤を用い歯の中の色素を分解する。

 自宅でできる「ホーム・ブリーチング」、歯科医院などで行う「オフィス・ブリーチング」がある。「ホーム―」は、歯型を取って作ったマウスピースに過酸化尿素溶液を流し込み、歯にはめる。1日1〜2時間の装着を約2週間続ければ、効果が表れる。

 「オフィス―」は、歯肉に保護薬を付けた後、歯に漂白剤の過酸化水素を塗る。ハロゲンランプやLED(発光ダイオード)の光を当てて活性化させ、色素を分解する。1回の治療で1本の歯に5分ぐらいかけ、2、3度繰り返す。1カ月ごとに2、3回通院する。

 遺伝や発育時の障害などによる変色・形を同時に整える場合は「ラミネートベニア法」がある。歯表面のエナメル質を約1ミリ削り、セラミックや、プラスチックの薄片を張り付ける。金属に陶材を焼き付けたかぶせ物をする「陶材焼付(やきつけ)冠」も有効だ。これらは「ホワイトニングが1年ほどで元の色に戻っていくのに対し、白い歯を10年ぐらい保てる」。ただし、ホワイトニングを含め、すべて保険適用外。

 一方、保険が適用される治療法もある。虫歯を削った穴の詰め物に、通常の金属ではなく、歯に似た白い「コンポジット・レジン」を使う。プラスチックに硬い石英粒子などを混ぜた複合材料で「見た目が良く、金属アレルギーの患者にも適する。だが、強い力がかかると割れる場合もあり、耐久性のある金属と比較して使用を考えてほしい」と話す。

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 岡山大学病院(岡山市北区鹿田町)審美歯科外来の新患受け付けは月〜金曜日の午前8時半〜11時。問い合わせは同病院むし歯科(086―235―6791)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年08月16日 更新)

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