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前立腺がん全摘出にロボット導入 岡山大病院 県内初 10月にも手術実施

岡山大病院が導入した手術ロボット「ダビンチS」。前立腺がんの全摘出手術に使用する

 岡山大倫理委員会は31日、米国製の内視鏡手術ロボット「ダビンチS」を用いた前立腺がんの全摘出手術の実施を承認した。ロボットは既に岡山大病院(岡山市北区鹿田町)に納入されており、早ければ10月中旬にも手術を行う。ダビンチSの導入は県内で初めて。

 ロボットの特長は、鮮明な3次元立体画像と複雑な動きができる3本の鉗子(かんし)付きアーム。執刀医は、患者の下腹部に入れたカメラから送られてくる画像を見ながら、アーム3本を遠隔操作して患部を取り除く。開腹による外科手術よりも出血が少ないなど患者への負担が小さいという。

 納入は8月29日。執刀医らスタッフは既に済ませた海外研修に加え、国内の施設での訓練や海外の医療機関で症例見学などを重ねながら、初期の前立腺がん患者を選定する。導入費は3億2千万円。

 岡山大病院泌尿器科の公文裕巳教授は「ダビンチで手術した場合、予後も良好とされている。安全で高度な医療を今後も提供していきたい」としている。

 ダビンチSは昨年11月に国が認可した医療機器。販売代理店によると、広島大病院など国内11病院が8月末までに導入したという。消化器外科や胸部外科、泌尿器科、婦人科などの領域に適応するが、保険適用にはなっていない。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年09月01日 更新)

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