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岡山大脳死肝移植 手術終え容体安定

会見する岡山大病院肝胆膵外科長の八木准教授(中央)ら=19日午前9時

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)で18日夜から行われた広島県在住の40代男性への脳死肝移植手術は19日早朝、無事に終了した。患者の容体は安定しており、早ければ1カ月で退院できるという。

 同病院では初となる脳死肝移植を執刀した肝胆膵(かんたんすい)外科長の八木孝仁准教授らが、手術後に会見。2000年の脳死肝移植実施施設認定から10年でめぐってきた機会に「無事に終えられて良かった。脳死移植しか道のない患者にとって大きな福音となったが、一つの通過点。これからも全力を尽くす」とした。

 7月17日の改正臓器移植法の全面施行後、脳死移植が10例目となったことについては「生体移植を手掛けてきたが、(健康体にメスを入れない)脳死がベスト。今後も増えていくのでは」と述べた。

 近畿地方の病院で30代男性から摘出された肝臓は、京都大医学部付属病院での分割を経て、18日午後10時44分に岡山大病院に到着。患者の手術は先行して同8時半から始まり、19日午前6時20分に終了した。提供者の肝臓が大きく、京都大の患者が小柄だったことなどから、岡山大病院では肝臓の右葉側69%を移植した。

 同病院の男性は肝硬変で肝機能が低下。がんにも侵され、内科治療も困難となり、07年に日本臓器移植ネットワークに登録した。

 改正法施行後の同病院の脳死移植は、肺と合わせ4例目。年間移植件数は最多だった06年に並んだ。同病院の肝移植は252例目。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年09月20日 更新)

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