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骨形成ホルモンCNP 消化器の働きにも作用 岡山大大学院国枝教授ら マウス実験で解明

国枝哲夫教授

 岡山大大学院自然科学研究科の国枝哲夫教授(動物遺伝学)らの研究グループは24日までに、骨の形成を促すホルモンの一種、C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)が、消化器の働きにも作用していることをマウス実験で突き止めた。

 成果は米国の病理学会誌に掲載。国枝教授は「ヒトにもCNPが働いていないことが原因と考えられる胃の疾患があり、医学研究者と協力して治療法開発に向けた研究を進めたい」としている。

 グループは、生まれつき四肢が短く、吸飲した乳が胃に滞留して1カ月以内に死亡するマウスに着目。骨と胃の両方に共通した原因があると推測した。

 遺伝子を解析したところ、CNPを機能させる受容体の遺伝子に突然変異が見つかり、CNPが働かないことで骨の形成不良が起きていると確認。さらに胃の出口部分を切り取ってCNP溶液に漬けると、正常なマウスは筋肉が弛緩(しかん)するのに、突然変異のマウスは弛緩せず、CNPが機能しないことで胃の出口を開けられなくなっていることが分かった。

 尾崎博・東京大大学院農学生命科学研究科教授(獣医薬理学)の話 マウスとヒトの似た病態が同じ原因によるものであることは多い。ヒトの消化異常の治療法開発の一助になる可能性は十分にある。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年09月25日 更新)

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