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ステンドグラス新棟にきらめく 倉敷中央病院 福山のガラス工芸作家・舩木さん作

倉敷中央病院第3棟のステンドグラスと制作した舩木さん

 倉敷中央病院(倉敷市美和)に完成し、10月1日から全面オープンする第3棟に、ガラス工芸の第一人者舩木倭帆(しずほ)さん(74)=福山市神辺町湯野=が制作したステンドグラスがお目見えした。規則的に並んだ色とりどりの丸いガラスプレートが特徴的。日差しを受けてきらめき、院内を柔らかく照らしている。

 縦約4メートル、横約3・7メートルの五角形で、同棟1階西側の通路に設置。「木漏れ日からの発想」と名付けられ、青空をイメージしたガラスに葉に見立てた緑や茶など6色の円形プレート(直径16センチ)が約300枚組み込まれている。

 制作期間は約2年。吹きガラスで平らな円形プレートを600枚以上作り、配列を考えた。通常の吹きガラス作品では太陽光が直進するが、ガラス内に気泡や凹凸を作ることで拡散させた。

 舩木さんは松江市で布志名(ふじな)焼窯元の次男として生まれ、大学卒業後、大阪市のガラス工場で10年間修業。現在の福山市神辺町湯野に1988年、工房をつくった。花器やグラスなど生活で使う器を中心に制作、“用の美”を追求している。

 ステンドグラスは、知人で第3棟を設計したUR設計(大阪市)の辻野純徳社長が依頼。舩木さんは父の代から大原家と親交があり、「大原孫三郎氏が創設した同病院のためなら」と快諾した。

 舩木さんは「ステンドグラスは経験が浅く、光の拡散と平らなプレート作りに苦戦したが、なんとか形になった」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年09月28日 更新)

タグ: 倉敷中央病院

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