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岡山県内、RSウイルス流行の兆し 患者数3倍 肺炎や細気管支炎 乳幼児ら重症化も

県内のRSウイルスの流行状況

 乳幼児を中心に細気管支炎や肺炎を引き起こす「RSウイルス感染症」が県内で流行の兆しをみせている。今年は例年より1カ月以上早い8月下旬から患者が増加し、10月上旬時点で例年の約3倍。有効な治療法や特効薬がなく、専門家は手洗いやうがいによる予防を呼び掛けている。

 RSウイルスは冬場に流行。風邪の症状に似ており、発熱しない患者も多い。せきやくしゃみを通じて感染し、2歳までにほぼ全員がかかる。抗体ができないため大人になっても何度も感染するが、大半は鼻水やせきなど軽い症状で済む。ただ、1歳未満や心疾患のある乳幼児、高齢者は重症化しやすいため注意が必要という。

 県健康推進課によると、10月4~10日には県指定54医療機関の1施設当たりの患者数は0・48人となり、昨年同期の約3倍。統計を取り始めた2004年以降、この時期としては最多となっている。ピークは例年、12~1月ごろで1施設当たり1~1・5人となる。

 倉敷中央病院総合周産期母子医療センター(倉敷市美和)の渡部晋一主任部長は「RSウイルスは認知度が低いが、インフルエンザよりも感染力が強く重症化しやすい」と指摘。軽症の場合はRSウイルスの検査をしないため、実際の患者数は県データの数倍に上るという。

 「ぜーぜー」という呼吸や風邪よりも鼻水が多いのが見分けるポイントで、乳幼児は熱の有無よりも機嫌や食欲などに注意が必要。渡部主任部長は「大人が感染し、気付かず家庭で子どもにうつすこともある。徹底した予防を心掛けて」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年10月20日 更新)

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