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脳死移植 岡山県内2病院で同時手術 岡山大と国立 福山の60代男性から

 日本臓器移植ネットワークは26日、低酸素脳症で福山市民病院(福山市蔵王町)に入院している60代男性が法的に脳死判定されたと発表した。両肺が岡山大病院で30代女性=中国地方在住=に、片方の腎臓が国立病院機構岡山医療センターで50代男性に移植される予定。岡山県内2カ所の病院で脳死移植が同時に行われるのは初めて。

 脳死による臓器提供は改正臓器移植法の全面施行(7月)後19例目で、ドナー(臓器提供者)の男性は書面で臓器提供の意思を示していなかったが、家族が脳死判定と提供を承諾した。

 改正法の施行で脳死臓器提供数が急増しているが、今回のケースは、臓器提供病院が福山市で、移植を実施する病院が岡山、広島市と同じ県か隣県と距離的に近い。血流が止まると機能が失われていく臓器、特に6〜8時間内の移植が求められる肺では、近距離の搬送は好条件となる。米国など先進国では心臓や肺も一定の地域内で仲介されている。

 岡山医療センターによる脳死腎移植は初めてだが、生体、心停止移植は計200例を超す実績がある。岡山大病院の脳死肺移植は21例目。2病院の摘出チームは26日午前、福山市民病院に出発した。臓器は同日午後に摘出されて両病院に運ばれ、移植手術は27日未明まで及ぶ見通し。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年11月26日 更新)

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