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岡山医療センター 初の脳死腎移植、容体安定 岡山大病院 両肺の30代女性も

脳死腎移植手術後に会見する田中移植センター長(右)と藤原医師=27日午前4時、国立病院機構岡山医療センター

 国立病院機構岡山医療センター(岡山市北区田益)で26日夜から行われた同病院で初の脳死腎移植は27日未明、無事終了した。移植を受けた50代男性=中国地方在住=の容体は安定しており、早ければ5週間程度で退院できるという。

 福山市民病院(福山市蔵王町)で脳死判定を受けた60代男性から摘出した左腎臓を、慢性糸球体腎炎で15年以上人工透析を受けている男性に移植した。手術は26日午後7時すぎに始まり、約7時間後に終了した。

 執刀した外科の藤原拓造医師らが術後に会見。脳死移植は心停止移植に比べ臓器の状態が良いとされることから、藤原医師は「経過をしっかり観察し、利点を確認したい」と述べた。家族同意で臓器提供が行われたことについて、田中信一郎・同病院移植センター長は「非常に感謝している。心停止移植も含め、移植医療全体に理解が広がることを期待する」とした。

 同じドナー(臓器提供者)からの両肺移植手術を26日に岡山大病院(岡山市北区鹿田町)で受けた30代女性=中国地方在住=も容体は安定しており、順調なら1カ月程度で退院できる見込みという。

 大藤剛宏肺移植チーフは、岡山県内の2病院で同時に行われたことに触れ「県内の医療水準の高さを示した」と話した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年11月28日 更新)

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