岡山県医師会が肝疾患座談会 肝がんへの進行防ごう 地域に密着した保健活動推進必要
岡山県内では、B型、C型肝炎ウイルスの保菌者が約5万人と推定され、肝がんで年間約600人が死亡している。このため県は2007年、県肝炎対策協議会を設置し、岡山大学病院を肝疾患診療連携拠点病院に、今年2月末現在107の一次専門医療機関、うち8病院を二次専門医療機関として、かかりつけ医と連携しながら肝炎患者を診療する体制を整備している。
座談会は、糸島達也同協議会長の司会で、肝臓専門医らが肝炎対策、一次、二次専門医療機関の役割、課題などを話した。岡山大学病院の小橋春彦消化器内科講師は「B型肝炎は、インターフェロンや経口抗ウイルス薬で確実に治療できる」とし、則安俊昭県健康推進課長も医療費助成の制度紹介を交え「治療法は大きく進歩している」と語った。
日野啓輔川崎医大教授(肝胆膵(すい)内科学)は「全県的な肝炎ウイルス陽性者の把握、登録とともに地域に密着した保健活動をさらに推進させていく必要がある」と発言。「他科の医師が患者の肝炎ウイルス陽性を知ったら、肝臓専門医に紹介するべき」といった意見も相次いだ。
一次専門医療機関・川口メディカルクリニック(岡山市)の川口光彦院長は「二次機関で行われていることをどれだけ一次機関で担えるか、もっと論議すべき」などと主張した。
他の出席者は次の皆さん。
山本和秀岡山大大学院医歯薬学総合研究科教授(消化器・肝臓内科学)▽下村宏之倉敷中央病院消化器内科部長▽松田忠和天和会・松田病院院長▽平松祐司岡山大大学院医歯薬学総合研究科教授(産科・婦人科学)▽近藤秀則岡山済生会総合病院整形外科医長
(2011年03月07日 更新)